Spring Concert2005の作り方。

shindai2005-05-06

さて、待望のネタ公開。一部は演奏だけだったので、二部のおはなし。

映画会社(配給会社?)20世紀フォックスのテーマに合わせて、ロゴマーク(右上参照)を投影する。でも、そのまんまじゃ面白くないので、ロゴを「15th LAKESIDE WINDORCHESTRA」にする。最初はイラストレータで作ろうかと思ったんだけど、Shade7.5basicで3Dで作りました。平面で作ったものを掃引体とかいう操作で奥行きをつけて立体化。台座の部分は少し奥行きをかえて、さらに立体感が出るようにしてあります。せっかくShadeで作ったので、いっそのことまわしちゃえ!ってことで、カメラが回り込んで正面にくる、みたくしてみました。本当は、周りでサーチライトが回ってるんだけど、そこまではやる根性がなかったのと、現場でフォローピンスポットでサーチライトのようにぐるぐるしてもらったので、まぁいいかと。
スターウォーズは、師匠たっての希望。映画のオープニングになるべく近づけてほしい、ってことだったので、DVDを見て研究。最初に「15 YEARS AGO…」と青い静止タイトルを出して、曲始まりと同時に指揮にあわせて、STAR WARSのフォントに似せた「LAKE SIDE」をポン出し。WebでSTARWARSフォント、ってのがあったんだけど、ダメダメだったので、イラレで作りやした。んで、これまでのあらすじ?を、奥に流れていくタイトルロールで流す。じつはこの、奥に流れるロール、って言うのが困りもの。上に流れる、とかは簡単にできちゃう。それこそ、KeynoteとかPowerナントカみたいなプレゼンソフトでもできる。でも奥に流すには、フォントの形状から変わっちゃう。台形になるわけけです。仕方がないので、AppleLiveTypeっていう、タイトル作成ソフトで、まずは上に流れるロールムービーを作りました。それをビデオ編集ソフトFinalCutProHDに読み込んで、3Dエフェクトで画面を台形化しました。なので、左右が切れちゃったり、奥に行く途中で切れちゃったりしてます…。でもまぁ、それっぽくなったので…。
あとは、曲が終わる瞬間に、最初の20世紀フォックス風のを静止画としてポン出し〜フェードアウト。
送出は、素材を全てQuickTimeムービー化して、MotionDive.TokyoっていうVJソフトでやりました。

  • ホールニューワールド(綴りわからん…)

大阪フィルハーモニーの中谷満センセの指揮。バラードなので、演出はなくてもよかったんだけど、今年の進化として、生絵を使いました。音響面で、ソロ用にマイクを2本セッティングしたんだけど、ソロ用マイクスタンドのそばに、もう1本ずつ、低く設定したマイクスタンドを設置。その先端には、小型CCDカメラを仕掛けました。ソリストが出てくると、ビデオスイッチャでソリストを抜いた生の絵を送出。カメラは2台あるので、デュオのときも、2人が向き合う形でミックスされた絵が出せる。ただ、カメラにはスタッフがいないので、操作ができないのが難点。リハーサルでソリストの立ち位置を確認しているとはいえ、なかなかリハどおりには行かないのが本番…。でも、今年が初の試みだったので、こんなもんかと。

  • エストサイドストーリーメドレー

小技なし。中谷センセのノリノリの指揮を楽しんでいただく、ということで。

  • Show is Everything

本編ラストナンバー。ダンスチームフューチャー。
MCが祝電紹介、団長・実行委員長インタビューをしてくれている間に、舞台小転換、衣装替え、振り落とし幕・プロジェクタ・ビデオのセットなどをし、準備がすんだところで、MCの「では、カウントダウンいきましょう!」にあわせて、振り落とし幕に映画フィルムなんかにあるカウントダウン映像をminiDVデッキから送出。実はこのカウントダウン映像は、FinalCutのテープ書き出しの機能に含まれているもので、本編の前に、カラーバーとか、ガイド文字とか、黒みとかを録画してくれる。でタイミング合わせのためにカウントダウンを入れておいたんだけど、リハで「せっかくだから、カウントダウンから流して、お客さんにもカウントダウンしてもらいましょか?」ってことに決まって。でも実は、自分から言い出しておきながら、そんなにノリのいいお客さんだろーか、って心配だったんだよね。でもMCさんの盛り上げのおかげで、思った以上のお客さんが一緒にカウントダウンしてくれてました。
で、だ、カウントダウンはおまけ。MCさんの「8・7・6・5・4・3・2・Show is Everything!」でUSJ地球風な3DCGを送出。ただしこれも、文字は「LAKESIDE WIND ORCHESTRA」にかえてある。
今回の一番の難関がこれ。単にタイトルが流れるだけなら、LiveTypeを使えば何とかなるってことはわかってたんだけど、地球の周りを回る、ということは、3Dだし、地球の後ろに回り込む、ということは、どうだましても2Dでごまかしはできない…。最初は、AdobeAfterEffectsでやろう、とか、MacromediaFlashでやろう、とか考えてたんだけど、どうも敷居が高い。偶然職場にあったShadeのマニュアルを見てると、回転体は簡単に作れそうだし、そこにテキストをマッピングしてやればいけそう、って思って、あわててShadeを買いにいったわけです。それでも困った事はたくさんあった。地球を3D化してしまうと、マッピングするためのデータがない、と。地球の展開図って、Web上で探しても、なかなか見つかりそうもないし。で、実はあの地球は平面なんです。Shadeでオブジェクトをまわして横から見ると、ぺらぺらな地球だってわかります(笑)。衛星軌道を回る文字は、AdobeIllustratorで作った文字を、Shadeの円柱にマッピングしました。ただ、円柱自体に色がつくとおかしな事になっちゃうので、円柱は透明化。でもこれも困りもので、円柱を透明化すると、マッピングされたテキストまで半透明になっちゃう…。もしかすると、きちんと設定してやればうまくできたのかもしれないけど、とにかく時間がない。トライアンドエラーで、マッピングの設定をいろいろいじって、なんとかごまかしました。加算とか減算とかアルファなんとかとか、いろいろあったけどね。未だによくわかんないのは、イラレでは濃紺なんだけど、マッピングすると黄色になる。「減算」というのがポイントみたいなんだけど、ためした中では、これが一番見栄えがするという事で、決定。わからんまま、使い終わってしまいました。
そんなわけで、すんげぇ時間と労力とお金のかかったUSJ風映像も、数秒で振り落とされてしまった訳です。それでも客席(送出操作のために客席にいましたから)から「をを!すごい…」というつぶやきが聞こえたときは、してやったり!って感じですよ、ダンナ。
しばらくはダンスチームの踊りを堪能してもらい、大急ぎで舞台袖に戻る。次は「サウンドオブミュージック〜ドレミの歌」。若手メンバーがドレミファソラシドにあわせた振りでおどる。んで、それを客席も一緒にやってもらおう、という趣向。ここは映像なし、って言われてたんだけど、やっちゃったよ。ごめんよ。まずは、CCDのところに走っていく。んで、手でレンズを覆う。そうすると、舞台袖に残っていたアシスタント[Chi]なっちがスイッチャを切り替えてくれるという段取り。切り替えても真っ暗だから、送出はされてない訳ね。んで、ダンスチーム説明担当の2人がしゃべりだしたところで覆っていた手をどければ、そこから送出開始。でもズームどころかフォーカスすらないCCD。普通ならハンドカメラとしては使わない。なので、それを逆手に取って遊ぶ。マイクスタンドの先端についてるから、高い位置から狙ったり、と言うへんな技が使える、客席も3列目くらいまでは上から狙える。途中、ステージにも上がって、指揮者に寄りまくったり。あ〜、もしかするとメンバーからの反感買ってたかも、と今更ながら…。
次がムーンリバー。ここでこの日最大のミス。アシスタントには「ソリスト出てきたら、スイッチャ切り替えて」って言っておいたんだけど、ソリスト用CCDカメラが定位置にない…。ステージスタッフに、「ドレミの歌のときは、カメラ出さなくていいから」って言ってしまってた…。自分の中で、曲の段取りが整理できてなかったんだなぁ…。でも、ソロは始まってる、スイッチャは切り替わってる。ダッシュでカメラを定位置に置き直して、舞台袖にかけ戻り、スイッチ操作を引き継ぐ。この辺りでもう頭の中イッパイイッパイで、記憶ないまま操作してました。あれ、マジでエンディングの記憶ないや…。終わった瞬間に、なんかかっこいいタイトルをポン出しすりゃよかったな…。ちなみに、「Show is Everything」は、すべてビデオ映像で、送出にはパソコンは使ってません。

  • アンコール

1曲目ソウルボサノバ。とりあえず1曲目は、ふつーにVJしちゃる!っておもって、MotionDive.Tokyoの映像を、PowerBookG4のビデオアウトから出して、KorgKAOSS PAD entrancerで弄る。これも、リハの段階で急に思いついた(ってか、やりたくなった)ことなので、素材はすべてMDTのオマケ素材。でもKPEを通す事で、全然違うものになっちゃうんだよね。慣れれば、左手でKPE、右手でMDTということもできそうなんだけど、テンポに合わせた送出・エフェクトをしたかったので、アシスタントにMDTの送出をお願いする。でも、MDT、いっぱい素材を取り込みすぎたせいか、すごくもたついてて、2拍くらい遅れて絵が出る…。ま、仕方なし。で、曲のエンディングで、クィーカのソロになったところで、映像フェードアウト。次に備える。
2曲目、クィーカで、音、照明、映像すべてがフェードアウトして、カウント「one, two, three, four!」で「マツケンサンバII」!これも、最初は何もしないつもりだったけど、本番1週間くらい前に、去年みたく練習風景をコラージュしよう、って思って、デジカメで写真を撮りまくってました(メンバの皆さん、ご迷惑をおかけしましたm(__)m)。多分200枚くらいとってたんだけど、リハ後の晩(というか早朝)に、MotionDIve.Tokyoに読み込んで置いた素材を、アシスタントが送出、それをKPEで弄る、という段取り。
でもそれだけじゃぁ面白くないので、「マツケンサンバII」のDVDを見て、下から立ち上がってくるタイトルを作っちゃいました。イラストレータで似たフォント探して、グラデーションにして、FinalCutで読み込み。3Dエフェクトでx軸回転。ホントは下から立ち上がるようにしたかったんだけど、時間切れで回転させる事でごまかしました。
実は、このネタは問題がいっぱい発生していたんだよね。ネタ写真を撮ってたとき、練習場所が暗すぎて、手ぶれ起こしまくったり、色がおかしくなってたりで、普通にプリントするなら使えない絵ばかり。当日の現場でも、PowerBookKPE→スイッチャの経路のどこかで接触が悪かったらしく、ノイズが乗ったり画像がぶれたりする。でもKPEを通したことにより、それもエフェクト、みたくみえちゃったみたい。いやぁ、プラス思考だ。「仕様です」だ。せっかくCCDカメラがあったんだから、踊る指揮者たちの生映像を出せるとよかったんだけど、さすがに人材不足、準備不足。そこまではできませんでした。

ってなわけで、今回はかなりクリーンなネタになりました。過去は、「著作権的にヤバいんじゃネェの?」とか言われたりってこともありました。でも今回はアイデアは借りてますが、素材は自作orロイヤリティフリー。制作のためのソフトもすべて自前!今回、ようやくFinalCutをまともに使い始めたし、Shadeも役に立ったよ。でもそろそろ演奏会参加費免除してくださいな…。

あとは、KPEを貸してくださったRITZ楽器さん、本当にどーもありがとーございました。

そんなわけで、年々巨大化肥大化していくネタですが。来年はいったいどうなるんだろ…。ってか、来年の話が進行してるってことは、中国はどーなるんじゃい!